公演概要
  公演趣旨
  出演者
  公演目的
  作品概要
  台本
  Kim Sang Soo
  2003・東京公演記事
  Photo
  2001年
   韓国- ソウル公演
  2001年
   日本- 大阪公演
  kimsangsoo.com
【作品概要】
 


<登場人物>
4人の女性。
1人の人物を4人の女性がそれぞれの個性で演じる。

<ものがたり>
昔々、離島に住むすべての男たちが漁に出た。その間に一人の女子が子を身ごもった大晦日の夜、漁を終えた男たちが島に戻った。しかし、7人の男たちは海におぼれ、島に戻ることができなかった。激しい風浪に出会ったという。
島の人々が騒々しく騒ぎ始めた。女子が身ごもったおかげで、島の男たちが死んだ!身ごもった女子の不浄の祟りだ!島の霊たちの怒りだ!と。島の人々は、女子を島から追い出し、無人島に送った・・・。

 

相生と和解
この世は疎通、そして生命だ

21世紀、すべての人類は、死ぬか、生きるかという問いの前で危機感を意識せずにはいられない。次の世代にどんな答えを引き渡せるのかを問わずにはいられない。この問いの前では、この地球の片隅に生きる私たち自身もその例外ではない。
一つの島、あるいは一人の人間、いくつかの島、そして何人かの人間。これらの狭間の真のコミュニケーションとは一体なんであろうか。真のコミュニケーションはどこで、どうやって探ることが可能なのだろうか。 この作品は、この問いから始まった。
 

 

ある島の伝説、そこから人間そして社会
真のコミュニケーションの正体を問う

どこかで1度は聞いたことがあるような伝説的な話、それがこの作品の背景だ。
この作品は、〈現実と想像の狭間〉、つまりその境界に置かれている。一言で言うならば、〈現世と来世〉、〈事物と言語〉− その狭間で人間は、ひとりひとり不安におののきながら息をしている。その不安の観念を〈意識の島〉と名づけよう。
陸と海の境界に置かれた島を想像してみる。海とは何か。海の経験は、島に暮らす人々にとって、その多くは死の体験を突起するものだ。だからこそ、島に暮らす人々は何よりも安全と思われる 陸へと移動することを夢見るのではないだろうか。島は海の不安をその重さとし、〈島、それ自体の重さ〉のまま浮かんでいるのだ。海と陸の中間に島があるように、人間と人間の間にも不安があり、島がある。この不安の島を支配するコミュニケーションという苛立ち(Tantalize)、その正体を問い、現実と幻想のイメージを通して、その観念を暴き出そうと思う。

 

相生と疎通のオブジェとしての光と音
視覚と聴覚的要素の驚くべき交差

この作品の中には、現実の島と意識の島を象徴するオブジェ、テレビモニター、電波音、音速を突破する飛行機の轟音、海の音、そして4人の女性たちが登場する。これらは互いに無関係に見え、まったく違うものとして考えられるかもしれない。それぞれに連想される要素の間に、ある秩序―〈イメージとしての島の秩序と想像力〉を具現しようと思う。
このような作品は、想像力に依存しなければならないだろう。想像力は作品の進行で島を表現する〈意識の島、現実の島〉想像力の発動源となることだろう。
この作品には、説明やストーリーはない。
想像力という次元で絶え間なく変化し、起成する演劇の意図的な混乱、それまでも経験することになるだろう。

 

単純・純粋・洗練

この作品は、表現の単純さ、純粋さ、洗練さを志向する。 劇場の中で繰り広げられるすべての現象―物体、音、色、光、舞台セット、そして4人の女優の動きと言語、声―このすべてのものたちの動きが、動きながら観客の時間と聴覚に、ここに寄り添う観客の総体的な感覚と共に互いに交差しながら進行していく。